私はブルドーザー。
運転席の隣に座っていれば、運転について知ることはできる。
運転席の隣に座っていても、運転できるようにはならない。
知っていると、やっているは、まったく違うもの。
自分の人生を運転しているのは、自分でしかない。
長い時間をかけて、ここまで運転できるようになった。
だけどまだまだ運転がへたくそで、よく事故に遭う。
できれば事故を起こしたくないが、誰かに運転を代わってもらうわけにもいかない。
自動運転システムもない。
ナビもない。
昔はスピード狂になっていた。
スリルを求めて、命を大事にせず飛ばしまくっていた。
そんな車だから、しょっちゅう故障する。
そんな車には誰も乗りたくない。
今はスリルではなく、夢を追い求めている。
車の替えはきかない。
定期点検も怠ってはいけない。
前方を注意しないといけない。
どんな日でも前に進む。
どんなことがあっても前に進む。
この道がゴールにたどり着くかはわからない。
それは誰にもわからない。
ナビは誰も持っていないし、未来の地図は変わる。
後ろから衝突されるかもしれない。
何があるかわからない。
だけど何があっても諦めない。
キャタピラが外れようと、それでも諦めずに前に進む方法を考える。
車窓からの景色は残酷なものもたくさんあるけど、同じくらい美しいものがある。
だから車を前進させる。
ドライブは、一人よりも多いほうがいい。
多くの仲間たちとドライブする。
サービスエリアで仲間たちとおにぎり食べる。
あの景色はすごかったねと語り合い、笑い合う。
人によって運転する車種は異なる。
スポーツカーもいれば、トラックもいれば、クレーン車もいれば、消防車もいる。
一つとして同じ車種はない。
それぞれの強みを掛け算して、道を進んでいく。
一人では通れない道も、力を合わせれば切り開くことができる。
チームワークが不可欠。
今日も過ぎゆく車窓からの景色を楽しみながら、前進します。
戸川良太