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スタッフブログ

前頭葉の疼き。


こんばんわ。

昨日代々木公園を散歩しながら考えていたことをこれから書こうとしている竹内です。先日ふらっと近所にある「キノコノクニヤ書店」に入ったところ、手塚治全集と同時に、村上龍氏の「半島を出よ」が目に飛び込んできたので、購入し読んでいるのですが、興味深い設定があったので少しそのことを書いてみようと思います。

めずらしくお酒の話じゃないので、興味のない方はごめんなさい。

さて、この小説の舞台の設定は現代の日本なのですが、金融政策の大失敗により過去に類をみない「不況とインフレ」に覆われ、金銭的な貧しさから極右・極左的な考えが充満し、国として世界的に孤立していくというシナリオです。

私は昭和60年生まれ(阪神が優勝、NTTが民営化、松田聖子が神田正輝と結婚した年)なので、バブルを知らずに育っています。

「景気が昇り竜の如し」「毎日がフルムーンパーティー」と一般庶民が感じるような状況は知らないのですが、この「不況とインフレ」というのが、悪い組み合わせだというのは理解ができます。

私達のお客様で個人の相談というのは、多くが住宅購入者・もしくは購入予定者なのですが、お客様からの質問・相談でよく聞くのが、住宅ローンは上がるのか?もしくは上がったらどうなるのか?というものです。

ローンの金利が上がる状況は大きく分けると2つあって、一つ目は「景気がよくなる」(市場の借入需要が高まる)二つ目は「インフレ」(信用がなくなる)です。

景気がよくなっての金利上昇であれば、時間差はあれ収入も上がり、相対的に運用商品の利回りも上がるので、ある程度ローン支払いが増えても、深刻なダメージにはならないかと思います。

最悪なのは不況が継続している状況でのインフレで、収入が変わらなかったとしても、物価が上がっているので支出は増える。

おまけに円の価値は下がるので実質的には資産が目減りしているというダブルパンチでノックアウト状態なわけです。

視点を上げて地球規模で見ると、人口は勢いを増して増加しており(1950年は25億人、現在は70億人を突破)、新興国の成長によってエネルギーや食料の需要は爆発的に増えています。

日本はというとリニア並みのスピードで人口が高齢化しています。(現在の65歳以上の割合は約23%、50年後は約40%)

つまり、このまま放っておくとそもそも働く人口自体が減る(生産性やマーケットを拡げないと企業の業績は下がる)、逆に国の使う税金は増える(健康保険や年金など)ので、間違いなく国民の負担する税金は上がる。

そして、世界的な需要の増加からガソリンや食料の値段は上がる=家計の支出は増える。

※小説の設定では、インフレの引き金として日本が輸入に頼っている資源と穀物の価格上昇がありました。

現在の日本政府の債務は約1000兆円。対して日本人の総資産は約1600兆円。

よく、この総資産が日本の債務不安(信用)を底支えしているなんていう話を聞きますが、もしそうだと仮定して、この資産が海外に大流出したり、東京に大きな災害がきたりして信用不安が起こったら、、、

金融業の端くれとして、「インフレ対策」「家庭菜園」と大きくメモ帳に書き記し、その後、赤提灯の並ぶ横丁へ消えたのですが、そんなことを一人。代々木公園のホームレス村を横目に見ながら考えておりました。

久しぶりにストーリーのある小説を読み、前頭葉に花が咲く。そんな水曜日で御座いました。

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竹内

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